はじめまして。マクニカ歴5年目の半導体FAE(Field Application Engineer)のKWです。主にWirelessやMotor関連ICの技術サポートとそれらをお客様に提案する活動を行っています。
現在はFAEを天職だと考えていますが、正直に申し上げると、就職活動をしていた頃は、その存在を全く知りませんでした。そこで今回は、半導体商社の技術職の「FAE」、特にマクニカでのFAEの仕事内容をありのままにお伝えできればと思います。
◆自己紹介(大学~社会人1社目)
大学・大学院は化学専攻で、リチウムイオン電池を長持ちさせる研究に取り組んでいました。考えることが好きな性分で、とことん突き詰めていく研究は非常に楽しく、個性豊かな同期の存在もあって勉学も遊びも充実した3年間の研究室生活を過ごすことができました。成果としては特許1件取得、国際学会での発表も経験させていただきました。現在の仕事とは直接関連しませんが、論理的思考や電池の知識は活かせており、教授をはじめとする研究室メンバーには非常に感謝しております。
この経歴からすると、普通に考えれば、研究職に就職となりますが、考えることと同じくらい人と話すことが大好きな私は、日々研究に没頭するよりも、農業/工場/エネルギーなど多種多様な企業と関われるIT業界、せっかくならチャレンジングな環境へ飛び込みたいと考えて、ITベンチャー企業のソフトウェア営業職に就職しました。
ベンチャー企業ということで、メインの営業職に加えて、総務(社内システム導入)・法務 (契約書関連)・技術(簡単な評価ボード操作)の仕事を体験でき、会社がどう回っているかを知ることができたこと、同僚やお世話になった関係会社様との人脈は大きな財産になりました。
◆マクニカに入社したきっかけ
1社目では、10年以上先を見据えたセキュリティやAIに関するPoCの案件が多く、未来を創っていくという点では非常にワクワクしましたが、段々ともっと直近で市場に投入される製品に携わりたいと考えるようになりました。そんな折に、1社目で作っていたセキュリティソフトが動作するハードウェアの提供元、という接点でマクニカと協業する機会があり、1~5年後の実製品に関われることに魅力を感じて転職を決意。ご縁があって、入社することになりました。
◆マクニカ のFAEがわかる4つのポイント
1) 技術を突き詰められる&お客様と関われる
1社目同様、2社目のマクニカでも、対外的な接点が多い営業職での入社を希望していました。技術も大好きな私は欲張って「技術もわかる営業職として働きたい」と面接で伝えたところ、「それって、マクニカだとFAEのことだよね」と新しい選択肢を提示いただき、、FAEとして入社することになりました。FAEはField Application Engineer、すなわち、営業とともにお客様のもとに足を運んで、専門的な技術知識をもとに営業をサポート、時には自ら営業活動を行う職種です。
お客様への最適な製品提案には、取り扱っている半導体製品の知識(基本的なスペック、使用方法)だけではなく、関連する背景知識(Wireless:BluetoothやWi-Fi通信規格、Motor:モータの種類や基本的な動かし方)やお客様の製品について知っておく必要があります。
データシート(半導体製品のスペックや使用方法を記載した資料)を読み込むのはもちろんですが、評価ボードを使用し、実際に「手を動かして」半導体製品の基本的な挙動やお客様の使用条件での挙動を理解することを大切にしています。このようにして得た知識のもと、お客様への提案活動が実って採用が決まった時や、技術サポートで問題を解決できた時の喜びはひとしおです。技術を突き詰めながら、お客様と関わっていくことがマクニカのFAEという仕事の醍醐味です。
2) 権限移譲(若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる)
大学では化学専攻、1社目ではソフトウェア営業職であった私には電気回路やハードウェアの知識が全くありませんでした。しかし、約2ヶ月の研修期間後、なんといきなり大手楽器メーカーに採用されているBluetoothモジュールの技術サポートを任されたのです。お客様からのお問合せ内容自体が分からないことも多々ありましたので、上司を質問攻めにしたこともしばしば。上司は私のしつこい質問攻めにも嫌な顔をせず丁寧に答えてくれました。この場を借りて御礼を言いたいくらいです笑。「もっと知識を身に着けねば」と奮起し、データシートと3,000ページを超えるBluetooth仕様書と格闘し、評価ボードで手を動かして確認という作業を繰り返し、半年後には自信を持ってサポート活動ができるようになりました。
これがマクニカの権限移譲の文化です。ちょっとハードルが高いのでは?という仕事でも、思い切って仕事を任せてもらえる文化があります。任せっぱなしではなく、上司がフォローしてくれる体制があるのもありがたいです。人間不思議なもので、任されると自然とやる気が出て、無理そうな壁でも乗り越えられることを実感しました。
3) エキスパートが多数いる
半導体製品にはデジタル/アナログという区分けがあり、私は3年程度アナログ製品も担当しておりました。アナログという言葉からなんとなくおわかり頂けるかもしれませんが、0か1のデジタルではない、長年の経験やノウハウが必要な分野となります。アナログ製品の製品知識や背景知識を身につけるのにはどうしたら良いかと当初非常に悩んでおりました。
社内でアナログ製品を数十年サポートしている大先輩にレクチャーをお願いし、またお客様のお問合せに関してOJTで質問を繰り返し、必要な知識を身に着けていきました。取引先のエンジニアの方含めて、本当にお世話になりました。
マクニカには前職がメーカーでバリバリ設計をしていた中途の方や、新卒でマクニカに入社し専門分野を究めた方など、エキスパートが多数います。お客様の製品は複数の半導体製品を組み合わせて構成されていますので、他の担当FAEと協力して提案活動を行うことも多いです。自分の守備範囲外でも、これらエキスパートの知恵をかき集め、「One MACNICA」として回答できることもマクニカの強みです。技術者として非常に刺激的な職場だと考えています。
4) ハードもソフトも両方勉強できる
半導体は、お客様製品の筐体(きょうたい:機械の容器)内部にある基板に、正しい電子回路で、正しいソフトが書き込まれることで、期待した動作をします。つまり、半導体FAEはハードとソフトの両方の知識が必要なのです。私はこれまで本格的なコーディング(ソフトへの書き込み)のサポート経験をしたことがほとんどありませんでした。現在はワイヤレス製品にクラウドやスマホを組合せたソリューション提案ができるように、Wi-Fi製品の組込みソフトに加えて、クラウドやスマホのソフトも勉強中です。
多岐に渡る製品の知識を身に着けてオールラウンダーになるもよし、特定分野を究めてエキスパートになるもよしで、FAEという仕事のキャリアパスは可能性無限大です。
◆最後に
この記事を通じて、少しでもマクニカのFAEの仕事内容、面白みが伝われば幸いです。FAEは営業と技術、ハードとソフトをカバーする職種で、自身のバックグラウンドや挑戦したい内容に応じて、多様な働き方ができます。最新の技術に触れながら、技術サポートを通じて社会と関わって明日を創っていけることに、毎日ワクワクします。FAEって面白そうと思って頂けた方と、将来一緒にお仕事できることを祈って、筆をおきたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
[半期ごとの目標発表/振返り後、オフィスで撮影した集合写真。個性豊か/好奇心旺盛/仲間想い/リスペクトできる各分野のエキスパート達です。]
[休日はロードバイクでサイクリングを楽しんでいます。写真は旅行で訪れた霞ヶ浦とレンタルしたミニベロ。愛車はキャノンデールです。]
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